2015年12月17日木曜日

交通事故マッピングのサーベイ(2/3)

アメリカ編の続きです。

United Kingdom

イギリスはオープンデータの先進国として名高く、政府が率先してデータを公開しています。
Road Safety Dataというページで現在は2014年までのデータが公開されています。
また、2010年にこのオープンデータを使って作られたマップがMapsdataで公開されています。
このサイトでは、データの可視化はビッグデータの理解を助ける上で必要不可欠であるという信念のもと、色々試しています。
上図は各事故の箇所にマーカーを置いたマップで、マーカーをクリックすると詳細が出てきます。
この最も基本的なマーカーマップをベースに三通りのカスタマイズが提案されていて、まず一つ目がヒートマップ。
どこで事故が集中的に起きているかを可視化する手法です。
ここでは単純に事故の数だけで密度計算をしているっぽいですが、事故の重さや古さに応じて重み付けをすればあらゆるパターンのヒートマップを描く事ができます。

二つ目がクラスターマップ。
マーカーをある範囲ごとにまとめた(Clusterした)ものです。
マーカーマップに比べ、どの地域が事故が多いかが見やすいマップになります。
図の縮尺に応じてクラスターも変化するので、単純に数で事故を俯瞰する際には便利かもしれません。

そして三つ目がバブルマップ。
このマップでは事故に関わった車の数に応じてバブルの大きさが変化します。
つまり、単純な事故数だけではなく事故の重さに応じたクラスタリング(分類)になっています。
また、この図をプロットする際には自分で条件を設定することもできます。
曜日や駅で設定できるようになっていますが、時間帯や季節で区分した方が効果的になる気もします。

しかしさすがオープンデータ大国だけあって、米国よりは一回り進んている印象です。
データのフォーマットさえ整えればイギリス以外のデータもこのプラットフォーム上で可視化できるらしいです。
日本のデータ公開を願ってやみません。

以上、イギリスの交通事故可視化マップでした。

次はフィンランドと日本

2015年12月11日金曜日

交通事故マッピングのサーベイ(1/3)

交通事故のデータを地図上にプロットして、事故が起こりやすい場所を可視化しようとする試みが少し前から広まりつつあります。
全ての事故現場に点を打つマーカーマップ、ヒートマップ、エリアで事故数をまとめるクラスターマップ、バブルマップなど方法は多々あります。
今回はアメリカ、イギリス、フィンランド、日本の取り組みを比べて、どれが一番使えそうかを考えます。
(最終的には改良版でも作ろうかと考え中ですが、それはまた次回のお話。)

United States
まずはアメリカのニューヨーク。
ニューヨークではニューヨーク市警察:NYPD (New York city Police Department)が交通事故のデータを公開しています。
オープンデータと呼ばれるアレです。
事故の場所や被害人数など、27種類もの情報が2012年から全て公開済みでダウンロード可能です。


このデータを使ってヒートマップを表示しているサイトがCrashMapperです。

下図のように表示されます。
CrashMapper
もっと拡大してみると

こんな感じです。

そこら中で事故が起きていることが分かるかと思います。
が、これではどの道が事故が多いのかよく分かりません。
時系列や事故の度合いなどから重み付けをすれば改善できるかもしれません。


二つ目はPulitzer Centerが公開しているRoads Kill Map

Pulitzer Centerは世界の事故・事件データを収集し、報道機関などに提供する組織で、世界中の交通事故死亡者数のデータをまとめたのがRoads Kill Mapです。
先のニューヨークの物とは違い、世界全体でヒートマップを表示しています。
10万人中何人が命を落としているかという計算で国ごとに比較しているため、発展途上国で多く亡くなっている事が分かります。

また、選択した国の交通事故死亡者の統計データも閲覧できます。
これは日本のデータです。
死亡者の34.6%が歩行者ですが、これは先進国26ヶ国の中では上から二番目です。
大半の先進国が10-20%の中この値は。。。


三つ目がITOWORLDという会社が開発したITO-Road fatalities US

アメリカで2001年1月から2009年12月の間に交通事故によって死亡した人数をマッピングしたサイトです。
データは国家道路交通安全局のもので、事故の場所と死亡した人の情報が可視化されています。

全体像は下図。

交通事故を可視化して、事故をゼロに! 
拡大すると

交通事故を可視化して、事故をゼロに!
こんな感じです。
全ての事故をプロットするマーカーマップです。
もう少し拡大すれば見やすいですが、この状態だとかなりカオスです。
縮尺によって表示方法も変えた方が良いかなという印象です。


最後に四つ目が米国クレアモント大学院が開発したSafe Road Maps

データは先程と同じ米国道路安全交通局のもので、2001年から2010年のデータが使われています。
指定した年数のデータを基にマーカーマップもヒートマップも表示できるという代物で、完成度はかなり高めです。
2013_クレアモント大_1
拡大縮小に合わせて自動でヒートマップをプロットしてくれるのですが、縮尺調整するたびに計算時間がかかるのが改善の余地ありかな、と感じました。


以上がアメリカの交通事故可視化マップのまとめでした。

次はイギリスのマップのまとめ

Source

2015年12月1日火曜日

弔辞

11月30日にジェーホの訃報に接しました。本当に残念です。

ジェーホは大学のテニス部の後輩です。私はそのテニス部では先輩後輩含めると100人以上の人と関わりがありますが、彼ほど皆から愛されている人はいません。先輩からは弟のように可愛がられ、後輩からは兄のように慕われる人間はそうはいないでしょう。





その理由は一言では言い表せません。ただジェーホは、いつも笑顔でした。それも心から笑っていました。われわれのテニス部は体育会ですので、理不尽な事も多々あります。疲労とストレスのあまり、愚痴や悪口を言ってしまう事も時にはあります。しかし私は、ジェーホが誰かの悪口を言っている所を見た事がありません。どんなに辛くて仲間が愚痴をこぼしている時も、彼は笑って皆を奮い立たせました。



最初の夏合宿で、ジェーホは私に酒で勝負を挑んできました。

「僕、まだ酒でつぶれた事ないんですよ!勝負しますか!」

と、あの快活な笑顔で挑んできた彼は、生まれて初めて酔い潰れました。
それでもなお、彼は笑っていました。

筋トレの際はいつも
「僕はまだ全然大丈夫ですよ」
という不敵な笑みで挑んできました。

バンジージャンプで、誰が一番遠くまで跳べるかを競わせたのもジェーホで、勝ったのもジェーホでした。
後輩ながら、あらゆる事を楽しむ姿勢は心から尊敬していました。




だから今度は私が挑む番です。もう誰の悪口も言いません。愚痴も言いません。笑顔を絶やさず、毎年この日にジェーホに挑みます。

「今年の俺はジェーホより笑顔だったぞ。」
「今年は誰の悪口も愚痴も言わなかったぞ。」
と。

ジェーホに勝つまで何度でも、毎年挑むと誓います。

合掌