Finland
フィンランドでもイギリスと同じくデータが公開されているようで、ヘルシンキ市の2000-2010年の交通事故データを利用したヒートマップが左図です。
Google map上にプロットしていますが、計算済みのヒートマップを重ねているだけで、拡大縮小に応じて表示が変わるわけではないみたいです。
他にも交通騒音や鹿出現箇所、高低差などをヒートマップで表示しています。
ヒートマップとして表示させるならこれくらいシンプルな方が見やすい気もします。
Japan
日本はopen dataに関しては完全に後進国です。ITARDA(Institute for Traffic Accident Research and Data Analysis)という組織がデータを牛耳っており、一年分のデータが5000円という破格の高さ。
無料でダウンロードできるのは役に立たない統計pdfのみです。
政府が公開しているデータも中途半端にまとまっているせいでデータ解析用には全く使えず、税金の無駄遣いがそこかしこに見え隠れします。
そんな中、日本の中でも鳥取県のみがデータを無償で公開しています。
元々はとっとりWebというサイトで提供されている位置情報をCSVで出したみたいですね。
大分カオスです。
しかしデータを公開したおかげで昨年末に野生の解析屋さんが現れました。
まだ完ぺきというわけではないみたいですが、こうやって解析する人が増えるのがopen dataのメリットなんで、もっとデータ公開して欲しいです。。。
警視庁の解析ページとかはなぜこんなに見づらいのか。
それはさておき。
日本はopen dataに関しては後進国と最初に申しましたが、自動車業界の安全に対する取り組みはかなり先進的だと思います。
中でもホンダのSAFETY MAPは素晴らしいです。
ホンダが持つ「急ブレーキ多発地点」のデータ、
国が提供した交通事故のデータ、そして
利用者が追加したデータ
の三つを使って、危険な場所の情報を共有して事故の予防をしようという取り組みです。
また、ホンダはこのデータを利用して急ブレーキ多発地点の原因究明・解決まで行っています。
Googleのストリートビューとも連携しているっぽくて、クリックした地点の3D画像を気軽に見ることができます。
非常に良くできていると思うのにあまり普及していないのが残念です。
おわりに
以上、各国の交通事故マッピングについてまとめてみました。
交通事故による犠牲を無駄にしないためにも、交通事故データは何らかの形で活用されるべきだという考えは各国とも共通しています。
しかし実情は、マッピングしてそれで終わり、です。
それもその筈で、正直マッピングした結果から何が分かるかを考えても、よく分かりません。
「ここで事故あったのかー、へー」で終わりです。
この状況の打開策の最初の提示者がホンダです。
彼らは地図という抽象的な空間で得たデータを基に、現実の空間で原因究明を行った最初の組織でしょう。
しかし付加サービスがなければせっかくの素晴らしい技術も使われないので、今日誰もが使う「ルート検索」にどれだけこの「安全性」を取り入れられるかが鍵な気がします。
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